想像フォレスト(じん) - 鹿乃

[00:00.0]想像フォレスト(じん) - 鹿乃
[00:00.34]夏風がノックする
[00:02.33]窓を開けてみると
[00:05.27]何処からか迷い込んだ鳥の声
[00:10.8]読みかけの本を置き
[00:13.12]「何処から来たんだい」と笑う
[00:15.89]目隠ししたままの午後三時です
[00:21.49]世界は案外シンプルで
[00:23.68]複雑に怪奇した
[00:26.42]私なんて誰に理解もされないまま
[00:32.01]街外れ森の中
[00:34.18]人目につかないこの家を
[00:37.09]訪れる人などいない訳で
[00:41.06]目を合わせないで
[00:43.55]固まった心一人ぼっちで諦めて
[00:47.59]目に映った無機物に
[00:50.03]安堵する日々は
[00:53.33]物語の中でしか
[00:55.16]知らない世界に
[00:56.79]少し憧れることくらい
[00:59.7]許してくれますか？
[01:04.42]淡々と流れ出した
[01:06.58]生まれてしまった理不尽でも
[01:09.67]案外人生なんで私の中じゃ
[01:14.75]ねぇねぇ突飛な未来を
[01:17.31]想像して膨らむ世界は
[01:20.86]今日か明日でも
[01:23.2]ノックしてくれないですか？
[01:27.07]なんて妄想なんかして
[01:29.45]外を眺めていると
[01:31.84]突然に聴こえてきたのは喋り声
[01:37.490005]飲みかけのハーブティーを
[01:40.16]机中に撒き散らし
[01:42.21]「どうしよう」と
[01:43.630005]ドアの向こうを見つめました
[01:46.64]「目を合わせると
[01:48.5]石になってしまう」
[01:50.54]それは両親に聞いたこと
[01:53.05]私の目もそうなっている様で
[01:58.66]物語の中なんかじゃ
[02:00.89]いつも怖がられる役ばかりで
[02:03.86]そんなこと知っている訳で
[02:09.64]トントンと響きだした
[02:11.88]ノックの音は初めてで
[02:15.04]緊張なんてものじゃ
[02:17.97]足りないくらいで
[02:20.26]ねぇねぇ
[02:21.1]突飛な世界は想像しているよりも
[02:25.41]実に簡単にドアを
[02:28.93]開けてしまうものでした
[02:52.55]目を塞ぎうずくまる姿に
[02:54.95999]その人は驚いて
[02:57.44]「目を見ると
[02:58.64]石になってしまう」と
[03:00.68]言うとただ笑った
[03:02.84]「僕だって石になってしまうと
[03:06.11]怯えて暮らしてた
[03:08.23]でも世界はさ
[03:09.49]案外怯えなくて良いんだよ？」
[03:14.95]タンタンと鳴り響いた
[03:17.11]心の奥に溢れてた
[03:20.17]想像は世界に少し鳴り出して
[03:25.52]ねぇねぇ突飛な未来を
[03:27.89]教えてくれたあなたが
[03:31.02]また迷ったときは
[03:34.25]ここで待っているから
[03:57.67]夏風が今日もまた
[03:59.95999]あなたがくれた服の
[04:02.45]フードを少しだけ揺らしてみせた